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受験情報ブログ

日本大学豊山女子中学校のオンライン「英語インタビュー型入試」(2021年2月2日)

2021年2月2日の午前、日本大学豊山女子中学校で行われた英語インタビュー型入試の様子をお伝えします...

2021年2月2日の午前、日本大学豊山女子中学校では昨年新設された英語インタビュー型入試が、コロナウィルス感染防止の観点からの判断により、オンラインで実施されました。募集人員5名のところ、受験者数9名が集まりました。都内唯一のオンライン入試となった日本大学豊山女子中学校の英語インタビュー型入試を取材しました。〈取材・撮影・文/福原将之〉

都内唯一のZoomを使ったオンライン入試

日大豊山女子の英語インタビュー型入試では、Zoomを使用した面接試験がオンラインで実施されました。実は昨年9月東京私立中学高等学校協会は、一時帰国できない帰国生が受験する可能性のある入試を除き、自宅で受験できるオンライン入試の自粛する方針を公表しました。


https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/entry/entry002636.php


日大豊山女子の英語インタビュー型入試は、帰国生もターゲットに含めた入試だったため、結果として都内唯一のオンライン入試となりました。蓋を開けてみると地方からの受験生も参加していたため、オンラインにしたことで移動に伴う感染リスクを最小に抑えることができたのではないでしょうか。


もちろん日大豊山女子にとってもオンライン入試は初めての試みですので、様々な対策が取られていました。例えば、昨年12月13日の私立中コラボフェスタでオンライン入試体験会を開催したり、試験三日前に「受験生のためのZoom接続テスト」を実施したりしていました。緊急事態宣言発令後は普段からオンライン授業が実施されていたため、先生方もZoomの扱いには慣れている様子で、オンライン入試はまったく危なげない様子で進行していきました。


英語インタビュー型入試では、受験生はまず指定されたZoomのミーティングルームに入室します。集合時間は9時30分ですが、9時20分からZoomに入室することができます。受験生は自分のZoom表示名を受験番号に変更して、試験が始まるまではカメラOFF、マイクOFF(ミュート状態)で待機します。9時30分になると運営担当の先生が受験生の通信環境のチェックを行い、入試の説明を行います。説明が全て終わったら、いよいよ試験スタートです!

英語インタビューがスタート!まずはパッセージの音読と質問

試験となる英語インタビューは、Zoomのブレイクアウトルーム機能を使ったオンライン上の個室で行われました。受験生は入室すると、カメラとマイクをONにして試験官となる2名の先生(うち1名はネイティブ)と挨拶をします。


挨拶後は、受験生をリラックスさせる狙いもあるのでしょう。「お名前は?」「学校はどこ?」「年齢は?」「兄弟や姉妹はいますか?」「好きな食べ物や趣味はなんですか?」などの簡単なやりとりを英語で行います。最初は緊張した声色だった受験生も、会話が進むにつれて落ち着きを取り戻した様子でした。

最初の試験では、30〜40語程度のパッセージが画面共有で提示されるので、これを30秒間で黙読します。そしてパッセージを見ながら音読を行います。その後、ネイティブの試験官から音読したパッセージの内容について質問されるので、それを英語で答えることになります。


基本的には英検3級の二次試験の面接と同じスタイルになりますが、昨年同様に英検よりもずっと柔らかい雰囲気で試験は行われていました。

好きなピクチャーカードを選んで即興の英会話

試験の後半では、ピクチャーカードを使った即興の英会話が行われました。まず受験生は、5つのピクチャーカードから自分の興味のあるカードを1枚選びます。今年のピクチャーカードには、「New Year’s Day」「Weather」「Music」「Birthday」「Pets」の絵が描かれていました。


ピクチャーカードを1枚選ぶと、受験生には30秒の準備時間が与えられます。30秒経ったら、受験生は自分が選んだピクチャーカードについて、3~4文で自由に話をすることを求められます。

その後は、話した内容を受けて試験官から様々な質問があります。例えば、「Pets」のピクチャーカードを選んだ受験生には、「どんな動物を飼ってみたいですか?」「犬と猫はどっちがすきですか、それは何故ですか?」「どんなタイプの犬を飼ってみたいですか?」といった質問が会話形式で次々と行われます。会話の進行は受験生によって全く異なる内容になるため、まさの即興の英会話になります。


中には英検2級に合格している受験生もおり、ピクチャーカードの5枚のキーワード全てを使って流暢にスピーチを行い、試験官の先生たちを驚かせた子もいました。

発信力と積極性を重視する試験

以上で日大豊山女子の英語インタビュー型入試は終わりになります。ブレイクアウトルームに入室してからの面接時間は、およそ10分程度でした。日大豊山女子の先生方はもちろんのこと、受験生もオンラインには慣れた様子で試験に臨んでいました。


途中、受験生が一度だけ通信状況が不安定になったことがありましたが、面接の順番を入れ替えて時間を作り、パソコンを再起動して入り直してもらうことで解決しました。最終的には大きなトラブルもなく、オンライン入試は無事に実施されました。

試験終了後、試験官を担当された先生に少しだけお話を伺うことができました。「今回の英語インタビュー型入試で特に重視されている点は何ですか?」と質問をしてみたところ、「受験生の発信力と積極性です」とお答えいただきました。


「インタビュー時の会話の内容や文法の正しさは全く気にしていません。特に文法は、英検3級に合格している受験生でしたら入学後も全く心配ないからです。それよりも、英語を使った発信力や積極性をインタビューではみています。英語を使ったコミュニケーション能力は、これからの時代に必要な能力です。発信力や積極性を持って、クラスの仲間をリードしていけるような子をイメージしています。」(要約)


日大豊山女子中学校では、「国際交流教育」と「キャリア教育」を柱にして、カリキュラムが作られています。そして生徒たちには、積極性や発信力、コミュニケーション能力などを6年間通して身に付けてもらいたいと考えられています。英語インタビュー型入試はまさに、このような資質をもった生徒を見つけ出すための試験なのでしょう。