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聖徳学園では、「Sphero入試」と「Minecraft入試」が行われました。

2月2日、聖徳学園では「Sphero」「Minecraft」を用いてプログラミング入試を実施。

2月2日午前、聖徳学園ではプログラミング入試が行われました。小学校でのプログラミング必修化を前に、近年増えつつあるプログラミング入試の中で、「Sphero(スフィロ)入試」か「Minecraft(マインクラフト)入試」のいずれかを選択できるのが聖徳学園の特徴です。(取材・撮影・文/ 市川理香)

2019年の「確信」が2020年につながった

聖徳学園は、2019 年入試では自己アピール入試の選択肢の一つとしてプログラミング入試(Sphero入試)を行いました。2020年は「Sphero入試」に「Minecraft入試」を加え、さらに日程も「プログラミング入試」として独立させました。
プログラミング入試の導入自体は、聖徳学園がICT教育に力を入れてきた学校であること、そのICTをSTEAM教育(Science・Technology・Engineering・Art・Mathematics)活用し実践していることから自然な流れですが、2019年度入試での体験は同校に、従来の科目型入試で測りきれない受験生の可能性を引き出せるとの確信をもたらしました。プログラミング入試の責任者で情報システムセンター長の横濱友一先生が、次のプログラミング入試を模索していた時、マイクロソフト社が世界で初めての試みとして入試に協力してくれることになる出会いが!

そうして特徴の異なる2通りの試験を設定することで、さらに大きな一歩を踏み出した2年目です。「Sphero入試」1名、「Minecraft入試」2グループ計14名が、プログラミングと作品のレポートで構成される入試に臨みました。

「Sphero(スフィロ)入試」

ボール型ロボットSphero(映画「スターウォーズ」に出てくるロボット、BB-8をイメージするとわかりやすいでしょう)を使います。試験会場の床に設けられたコースを走らせるプログラムを作り、ロボットをゴールさせるという課題をクリアさせます。コースは直線と曲がり角で作られているので、その長さや角度から、ボールが走る距離や曲がる角度を計算して設定するという、数学的観点が必要になってきます。「算数が好きなお子様におススメ」とされていた所以です。まずプログラムを紙に書き起こし、iPadに入力して課題をクリアする過程、プログラミングに挑戦し気づいたことや感想のインタビューと、レポート作成までトータルで判定されます。

*評価のポイント
論理的思考力を重視した入試。思考力・判断力・コミュニケーション能力・プログラミングを楽しむ力を評価

「Minecraft(マインクラフト)入試」

小学生にも、ゲームとして人気を誇るMinecraftですが、今年の聖徳学園の入試では、「指定されたWorldで夏祭りの打ち上げ花火ショーをデザインする」という課題が事前に提示されていました。まずどのような花火を打ち上げるかをイメージすること、次にその花火大会を指定のWorld上に設計できること、そしてショーとしてプログラムを作ること、さらに動かしてみて修正するというサイクルを回しながら、各自が用意されたノート型PC上に作品化していきます。

*評価のポイント
集中思考・創造性を重視。デザイン思考を取り入れた創造性を評価

いずれも正解がひとつだけという課題ではありません。出題者の求めていることを忖度するような性質のものでもありません。特に今回の「Minecraft入試」では、受験生一人ひとりがイメージする、花火や観覧席(会場)をデザインするので、作品はとても個性的です。打ち上げる花火の本数、形や開き方、開く間隔、色など、テンプレートを改良しながらパソコンの画面に作り上げられるショーの美しさには目を見張るばかり。そしてどんな会場で花火を見ると楽しめるか、誰が楽しむのかなどを考えてブロックを自在に操ります。なかにはテンプレートを使わず、いきなりコードを書く受験生もいて、採点を行う先生も興奮気味。

プログラミング入試が持つ無限の可能性

しかし、この表面的な成果を判定するのがプログラミング入試なのではありません。一連の作業の中で測れる力は「無限」と横濱先生は語ります。与えられたものを理解する力、それを読み取る国語的能力、編集する力、四則演算、英語、トラブルに動じない心・・・。今回の花火ショーのデザインでは、花火をいかに楽しむ場とするかという会場(空間)把握や創造性をも発揮する受験生たち。そして、プログラムを評価するだけでなく、なぜ失敗したのかを考えることも大切にしているので、感想のインタビューやそれをレポートにまとめることも評価の対象となります。自由に書いて良いというレポートには、図や絵を入れて分かりやすく工夫する受験生も少なくありません。「無限」ということばは決して誇張でも夢でもなく、現実に起きていることに感動すら覚えます。

採点は情報を担当する教員が中心となり、実技の積極性やコミュニケーション力に、思考力や表現力といった総合力を加えた4項目3段階のルーブリック評価を用います。できたかできなかったかではなく、考え方や、トライ&エラーを繰り返した過程を評価します。

プログラミング入試の募集要項には、アドミッションポリシーを、次のように明記されています。

「聖徳学園では、自らの強みを伸ばし、世界とつながり、新しい価値を生み出す人材の育成を目指しています。プログラミング入試では、そういった潜在能力を持つ人材を広く募集しています」

(写真は、校門で受験生を迎えた、在校生や先生たちからの応援メッセージボード)

「子どもたちの可能性にふたをしない」

「プログラミング入試で難しいのは、難易度の設定」(横濱先生)と言います。しかし、「『これは難し過ぎるでしょう』と子どもたちの可能性にふたをしないことはとても大切」という基本姿勢は貫かれています。

試験官の視線の先には、大人の予想を軽々と超え、どんどん難しいことにトライしやり遂げようとする受験生たち。親子でプログラミングを楽しむご家庭もあるでしょう。もしお子様が困っていたら、決して手を出さず、解決の糸口を見つける小さなアドバイスをささやくだけにとどめてください。小さな成功を積み重ねて大きな成功を体験すれば、入試という場面でも失敗しながら何かを作り出していくはずです。

プログラミング入試の受験資格のなかに「プログラミング入試説明会に参加していること」を含んでいます。学校で行われる説明会やイベントに参加して、聖徳学園の「ICT×STEAM」や「GLOBAL」の教育実践について触れてみてください。

聖徳学園で、未来を作る

「iPadは娯楽のツールだと思われがちですが、聖徳学園は学校生活の様々な場面で活用しています。授業では、一人一台使うので、想像以上の使い方をしたり自分では気づかないことを見つけたりする人がいるのがとてもいいです」と日ごろの様子を語ってくれたのは、入試をアシストしていた高3生。4月からは国際基督教大学に進んで、「教育」を学んでいきたいと語ります。聖徳学園での充実した日々が教育への関心に大きく影響しているようですが、聖徳学園に関する下記記事もご参照ください。

人間教育・英語教育・グローバル教育・STEAM教育・ICT教育が融合した聖徳学園が描く教育の未来とは   

新しい価値を生みだす生徒を育む