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青山学院中等部の「教科センター型」新校舎の完成予定は2017年2月に!

どうなる? "サンデーショック"揺り戻しの2016年入試。

青山学院中等部は、4月25日(土)に開催した塾対象学校説明会で、現在すでに準備工事が進められている同学院中等部の「教科センター型」新校舎の第1期工事(教室棟)の完成が、2017年2月に予定されていることを公表しました。

新校舎は2017年完成予定!サンデーショック揺り戻しの影響は

昨年3月に、同学院中等部としては初めて実施した塾対象説明会では、この「教科センター型」新校舎の完成予定は2016年6~7月と伝えられましたが、東日本大震災の復興や、2020年東京オリンピック・パラリンピックのための建築需要拡大などの諸事情により、当初より8~9ヶ月遅れての完成見込みとなりました。

今春2015年の中学入試では、2月1日が日曜日と重なる"サンデーショック"によって、入試日を2月2日に移行した女子学院、フェリス女学院、東洋英和女学院、立教女学院、横浜共立学園などと同じ入試日で人気が競合する形になりました。

それによって(とくに女子の)応募者の減少が目立った青山学院ですが、現小6のお子さんが中2になる4月からは新校舎での授業が受けられる形になりますので、その点に注目が寄せられると、"サンデーショック"揺り戻しの影響が出る来春2016年入試では、再び人気を集める可能性があります。

「教科センター型」新校舎の設計

すでに青山学院では、大学キャンパスの校舎新築と整備(文系学部の相模原キャンパスからの移転)の後、2014年夏には高等部の新校舎が完成。中等部の校舎建築の工期が当初より遅れたことは残念ではあるものの、逆に遅れが出たことで、いま、わが国の教育で焦点になっている「2020年大学入試改革」と、その前後につながる教育改革の課題とされる「グローバル化」や「英語教育の4技能充実」、「アクティブラーニング(能動的な学び)型授業の導入」、「ICT教育の導入」など、新たな教育(=21世紀型スキルを育てる教育)に求められる要素や必要な設備・スペースを、「教科センター型」新校舎の設計に盛り込み、より進化した形で教育環境が整えられる見込みとなりました。

変わらぬ理念を一貫して持ちつつも「変わるべきところは変える」

明治の初期に3人に宣教師によって設立され、昨年、創立140周年を迎えた青山学院は、この先の創立150周年に向けた「AOYAMA VISION」のなかのメッセージとして、「すべての人と社会のために未来を拓くサーバント・リーダーを育成する」ことを宣言しました。「サーバント・リーダー」という言葉は聞きなれない方も多いかもしれませんが、もともと青山学院の建学の精神、教育方針、スクール・モットーには「地の塩、世の光」という、サーバント・リーダーと共通の精神が元来含まれていて、それは「自分の役割をしっかりと自覚して、自己の能力(神様から与えられたタラント)を、社会のため、人のために生かしてほしい」という意味だということです。

この精神は、左記のチラシのキャッチにもある「平和をつくる人になる(Work for Peace)」という言葉にも共通のものでしょう。そうした理想を実現する力や感性を培うために「明るくのびやかな学校」、「男女共学―分け隔てなく協力し合う」、「男女の違いを乗り越えて真のリーダーになれる」、「高校・大学まで10年間の一貫教育」という恵まれた教育環境が整えられていると理解することができます。

この日の説明会のなかで、昨年から中等部長に着任した敷島洋一先生は「キリスト教も、2000年続く歴史のなかで(必要に応じて)“変わってきた”ことで今日まで続いてきた」と述べ、変わらぬ理念を一貫して持ちつつも、「変わるべきところは変える」新しい青山学院中等部の方向性を明言しました。

「まず人と人との関係をつくる」ことを重視

そうした考え方のもので、「まず人と人との関係をつくる(まず友達になることで、互いに理解し、話し合える)」ことを重視して、そこからスタートする同学院の、韓国や中国の学校との「国際交流」について述べ、今年3月に高等部が「SGH(スーパーグローバルハイスクール)」に選定された経緯も「この国際交流の積み上げによって“サーバント・リーダー”になる方向性が期待されたことによるもの」と、敷島先生は説明してくれました。

そして2017年2月に完成予定の、約21,000㎡(現在は12,400㎡)の「教科センター型」本校舎(教室棟)は、地下1階・地上6階、合計46教室を備え、各フロアが「教室・メディアスペース・準備室」で教科ごとにゾーン形成され、「32名×8クラス」分のホームベースがあり、フロア毎に約2教室分の広さの「学年アクティブ・ラーニング(スペース)」を備えた、私学のなかでも恵まれた施設として誕生します。

その新たな学びの環境の完成を前に、青山学院中等部では、すでに「協働学習(公民で2014年~導入)」、「青山学院教育支援プロジェクト(2014~)」、「授業支援システム『Course Power〈FUJITSU〉』(技術科で2015~)」、「反転学習(選択英会話で2015~)」、「ipadを使った学習(体育や理科で2015年度スタート予定)」など、いわゆる“21世紀型スキル”を育てる新たな学びのスタイルも導入しているといいます。

これからますます発展していく青山学院に注目!

校舎が新しくなり、実際に大学でICTを活用した授業で学んできた教員が増えてきたことで、「これから大きく変わる」という青山学院中等部。新校舎の説明を担当した浦田浩教頭は、これを「(学内では)わくわくプロジェクトと呼んでいます」と話してくれました。そして最後に、「こうした環境整備や授業改革が進めば、やがて青山学院が日本一といわれる学校になるかもしれません」と、今後の自校の教育の進化への自負を語ってくれました。

まだ本契約(調印)が済んでいないため、この日は完成予想図などの資料は配布されませんでしたが、浦田教頭がパワーポイントのなかで設計図を見せて説明してくれた「教科センター型」新校舎は、大きな魅力とスケールを併せ持つものと感じました。2017年2月の完成に大いに期待したいと思います。