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受験情報ブログ

1/10(月・祝)埼玉より中学入試が始まる【栄東中A日程】

1/10(月)の祝日、埼玉県の中学入試がスタートしました。栄東中学校のA日程入試の様子をお伝えします...

1月の第二月曜日が成人の日となる「ハッピーマンデー制度」が始まったのは2000年ですが、1/10(月)の祝日には、千葉・東京・神奈川に先駆けて、埼玉県の中学入試がスタートしました。さいたま市にある栄東中学校のA日程入試では、男女計4,646人(男子2,949・女子1,697)の受験生が早朝から集まりました。

2年目の”コロナとの戦い”は静かに始まった

1月の第二月曜日が成人の日となる「ハッピーマンデー制度」が始まったのは2000年ですが、1/10(月)の祝日には、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で最も早い中学入試が埼玉県でスタートしました。さいたま市にある栄東中学校のA日程入試では、男女計4,646人(男子2,949・女子1,697)の受験生が早朝から集まりました。

難関大A、東大特待Ⅰ(4科・算数1科)、難関大B、東大Ⅱの4種類の試験の内、難関大(A日程)は、1/10(月・祝)と1/11(火)の2日の選択制で行われました。これはひとつの入試に集まる受験生を分散させるコロナ感染防止対策のひとつでもあります。例年、首都圏最大規模の約1万人の志願者を集める栄東中学校ならではの対策です。

2日目の11日に同校を受験したのは、男女計2,223人(男子1,441・782)ですから、2日合計では、6,869人。昨年と同様今年もその数は減ることはありませんでした。コロナ禍で遠方の入試を避けようという志向のなかで、埼玉栄東の人気は衰えませんでした。また、10日と11日の2日選択なので、埼玉県内の他の受験校も併願できる選択肢が広がる入試でもありました。

今年はより感染リスクを感じさせない入試になりました。

この日も昨年同様に、受験生が一番多い本校会場では集合時間を9:00スタートの「前半」と10:00スタートの「後半」とに分け、1時間の時差を設けました。これにより教室内の受験生の数を例年の約45名から30数名ほどに減らし、“密”を避けることにしました。

また、電車による移動時の感染リスクにも対応しています。自家用車による登校を希望する受験生には、グラウンドを駐車場として開放しました。また、検温はサーモカメラで立ち止まらずに測定できるようになり、消毒もスムーズで行列が滞留することもありませんでした。大規模入試のわりに感染リスクをまったく感じさせない入試でした、

喘息等持病がある受験生・アレルギーなどの理由でマスクが着用できない受験生は別室を用意するなど、子供たちの不安を軽減する特別措置も追加したといいます。あらゆるケースを考え抜いた対応だと言えそうです。

激励する塾の先生の姿はなく、静かに登校が始まった!

8:30頃にはグランドに次々と自家用車が入っていき、最寄り駅のJR東大宮駅からは受験生親子たちが校門をめざして歩いて登校してきます。今年も、例年なら教え子を激励しに駆けつける塾の先生たちも、自粛しているせいか全く姿が見えません。マスクとフェイスシールドをした同校の先生たちだけが受験生を迎えます。「来年こそはコロナ禍も治まって塾の先生がたも受験生を励ましに来てくれると良いのですが・・・」と先生がつぶやきます。

受験生と保護者は、会場に入る手前で検温・アルコール消毒した後、受験生は保護者と別れて教室に入ります。教室では机ごとに飛沫を防ぐパネルが設置してあります。これは在校生が普段の授業で使用しているものと同じものです。

コロナに負けない!私学だからこその迅速な対応

昨年の入試で大きな変更点のひとつだったのは、東大特待クラス入試で、3年間特待生と6年間特待生を追加したことでした。コロナ禍は経済にも深刻な打撃を与え、経済的に私学への進学をあきらめる受験生もいることが危惧されており、経済的に困っている生徒も安心して通学し続けられるように長期間の特待生の設置を決めていました。

そうした変更はまさに「私学特有」の決断です。同校では、コロナ禍で休校が続いていた時も職員の7割以上を在宅勤務としながら、ネット対応の準備を進め、全校生徒向けのオンライン授業をいち早く実施しました。設備がない家庭には学校にあるパソコンやポケットWi-Fiを貸し出すなどのサポートも行ったようです。

私学ならではのスピード感、コロナ禍でも生徒の学びを止めませんでした。「受験生たちは早い子で小学3年生から、4年間努力し続けてきました。だからこそ、私たちもやれることはなんでもして、万全の体制で受け入れたい」と先生。受験生たちの戦いの裏で、受け入れる先生たちの熱い想いを感じる入試のスタートとなりました。

なお、10,11日選択の難関大(A日程)では、10日の合格率は73%(合格者3,380/受験者4,646)で、11日は59%(同1,323/同2,235)で、2日間の合格率には大きな差がありました。さらに、1/16の難関大B日程は43%(同647/同1,512)、1/18の東大IIは50%(同253/同506)となっています。

埼玉県内の私立校では、東大合格者数は最も多く、22年は14名(前年12名)、難関大学も国公私立ともに医学部から文系・理系大学、海外大学に至るまで多くの合格者を出しています。首都圏全域から集まるA日程初日の第一志望者の実力のほどが垣間見られました。