コラム

【受験生のための食べる処方箋 4】試験直前!カフェインに頼らない、集中力の作り方

オーソモレキュラー .jp認定栄養カウンセラー・栄養士 吉川圭美

毎日がんばるお子さんへ食事でサポートしませんか?
難しく考えなくても、日々の栄養バランスに少し気をつけるだけで、見違えるほど変わります。
お子さんだけでなく、ご家族皆様の美容と健康にもうれしい情報を、栄養士である筆者がわかりやすく伝授いたします。

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 年が明け、いよいよ試験までカウントダウン。勉強の総仕上げに取り組んでいるお子さんも多いことでしょう。そして体調を崩さないよう、親御さんも意識しながら日々を過ごしていると思います。

 こんなときこそ、お子さんの口に入れるものには人一倍気を遣いますよね。夜に机に向かっている時など、ラストスパートということで栄養ドリンクに頼ってしまうこともあるかもしれません。

 でもちょっと待って。特にドリンクにカフェインが入っているなら注意が必要です。心身ともにアクセル全開状態のいま、お疲れ気味の副腎をいたわる意味でも意識したいものの一つです。

カフェインは副腎の「気つけ剤」のようなもの

 「副腎」という言葉をはじめて聞く人も多いかもしれません。

 これは左右の腎臓のうえにちょこんとのっている、ぶどう一粒くらいの大きさをした臓器のこと。いろいろな種類のホルモンを出すのが仕事です。なんとその数、50種以上。

 ホルモンとは、体内で起こっているさまざまなはたらきをコントロールする物質を指します。たとえば体の成長を促す成長ホルモン、体つきを女性らしくしたり赤ちゃんを産み育てるために必要な女性ホルモン、新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンなどが挙げられます。

 副腎の仕事の一つが、ストレスと戦うためのホルモン、コルチゾールというホルモンを出すこと。わたしたちの心身にストレスが降りかかってきたとき、立ち向かうために血圧や血糖値を上げたり、傷ついた細胞を修復できるタンパク質を準備するなどして、ストレスから身を守るためにはたらいてくれます。
元々この仕組みは、狩猟時代に人類が猛獣などから身を守るためのものでした。心拍数を上げてキレ良く動ける状態にしたり、血糖値を上げて走り回るエネルギーが切れないようにしたり…。

 受験シーズンの渦中、子どもたちの身体はつねに臨戦態勢。ストレスから身を守るため、ただでさえ分泌量も増えがちです。

 そんなコルチゾールに影響を与える食材が、カフェインドリンクやコーヒーといったもの。カフェインは、副腎にコルチゾールを出すよう促すため、一時的に集中力がましたり元気になったりします。しかしカフェインが切れるとコルチゾールの量も減り、どっと疲れが出てきます。つまり、カフェインは一時の気付け剤のようなもの。頻繁にとるほど摂取量も増え、その分副腎の負担は大きくなると言えます。

 副腎が頑張りすぎてしまうと、いつしか許容量を超えコルチゾールを作り出す力が低下することにも繋がります。朝起きられなくなった、コーヒーが手放せない、前に比べて疲れが取れない、だるさが強い、集中力が下がって来た……。これでは勉強どころではなくなってしまいます。

 とくに頑張り屋さんや真面目なタイプのお子さんは、副腎が疲れやすい傾向にあると言えそうです。用心してケアしてあげましょう。

カフェインの代わりに青魚と卵で集中力を作る

 そのために、気をつけたほうがいいものとして挙げたいのが、やはりカフェインドリンク系。最近ではコンビニでも手軽に入手できますが、毎日の勉強のお供に飲ませるのはお勧めできません。大人でもカフェインが手放せないという人は結構多いもの。もしどうしても使うなら、ここぞという時に使う程度にしておきましょう。寝不足や昼夜逆転といった生活の乱れも、副腎が余計疲れてしまうので注意しましょう。

 では、本当の意味で集中力を高めるにはどうしたら良いでしょう。

それには身体の機能に合わせて材料を取り入れていくことが大切です。しかし、とりすぎに注意が必要な栄養素もあります。例えば糖質は、体内を構成する栄養素の数パーセント程度ですが、取りすぎると体内でうまく対処し切れず、眠くなったりイライラしたりと不調が出やすくなります。

 まずは、脳細胞を作る材料をしっかり摂り入れてあげましょう。土台となるのがタンパク質。さらに集中力を高めるにはビタミンB群や鉄といった栄養素が欠かせません。オススメなのが青魚と卵。

 青魚には、キレよく冴えた頭を作るのに必須なオメガ3が豊富。脳細胞の膜をしなやかにし、情報の出し入れをスムーズにしてくれます。冬の今は寒ブリが旬。このほかサバ、トロなど、たっぷり出してあげましょう。例えば、タンパクとオメガ3をともに含むお刺身は、手っ取り早く食卓に出せるので調理の手間もなしです。

 勉強中の夜食はゆで卵が手軽で便利。卵に含まれるレシチンは、脳の神経細胞に多くあるミエリン鞘(しょう)と呼ばれる部分の主成分。脳ホルモン、アセチルコリンの材料でもあり、記憶力や集中力アップのサポートをしてくれます。たくさんゆでておけばすぐに出せるのでラク。ゆでてからをむき、めんつゆやしょうゆにひたした味付け卵もおすすめです。

 ビタミンB群はこの時期、とくに消耗しやすい栄養素なので、集中的にサプリメントを使うのもよいでしょう。疲れが早く抜け身体がラクになるのに驚くはず。選ぶ際は安くて手軽なものではなく、GMP基準(※1)を満たしているもの、薬品メーカーで発売しているものなど、信頼できるものを吟味して与えるようにすると、体感が出やすくなります。できれば親御さんも一緒に。

 ここまで紹介してきたことは、オーソモレキュラー栄養療法(※2)と呼ばれる理論がベースとなっています。
 医療の現場でも用いられている方法でありますが、メンタル不調など様々なきっかけで子どもがオーソモレキュラー栄養療法を取り組みはじめたところ、飛躍的に学力がアップした、勉強への集中力が増した、といった話は本当によく耳にします。話を聞くたび、材料(栄養素)を取り入れることの大切さを思い知らされます。

 受験期の今だからこそ、他の人と差を付ける食べ方、はじめてみませんか。

※1 「Good Manufacturing Practice」の略。薬事法に基づいて厚生労働大臣が定めた、医薬品等の製造及び品質管理基準。原料の入庫から製造、出荷までのすべての過程において、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるように定められた規則とシステムのこと。

※2 全身のひとつひとつの細胞を構成する分子のバランスの乱れを、栄養素を用いて整えていく治療方法。1960年代に欧米で始まった。

吉川圭美 [オーソモレキュラー栄養カウンセラー・栄養士]

栄養士資格を取得後、健康・食にまつわる編集者・ライターとして活動。200人以上のドクターや健康法の提唱者にインタビューを行う。その際出会ったオーソモレキュラー栄養医学に魅了され、ひとりでも多くの人に伝えたいと資格を取得。現在は保育園にてオーソモレキュラー理論を応用した給食にたずさわるほか、クリニックにて栄養カウンセリングを担当。一人ひとりの不調と向き合い、身体に合った食べ方を提案している。記事執筆や監修、レシピ提案なども行う。

MYLOHAS連載「ポジティブ栄養学」

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